2017年9月30日土曜日

1800年頃に、天満青物市場で北摂地域産の栗が扱われていたかどうかについて知りたい。(大阪府立中央図書館)

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1800年頃に、天満の青物市場で、北摂地域産の栗は流通していたようです。 次の資料を調査しました。 ・『封建社会の村と町:畿内先進地域の史的研究』(大阪歴史学会/編 吉川弘文館 1960.10) 小林茂「近世大阪における「青物」の流通問題:天満市場と百姓市との抗争」(p.1-59) p.12-14 「寛政十一年一月、天満市場で淀川筋所々から積んできた諸荷物運賃の改正につき、記された出荷地別の青物類」として、出荷地ごとの青物が並べられていますが、その内、三島江・唐崎から積んできた荷物の品目の中に「栗(能勢郡のもの)」という記述がありました。 こちらの引用元の資料は『青物市場旧記』となっており、『大阪商業史資料 第25巻』(大阪商工会議所 1964)の中に「青物市場一括」(25/209-25/296)として収録がありました。小見出し「淀川筋下リ荷物小廻賃定」の下に産地と品目が並べられ、その中の「三島江唐崎出 栗」と書かれたすぐ後ろの行に、「此クリハ凡能勢郡ヨリ出賣分の積也」と書かれていました。 以上の記述から、寛政11年(1799年)には、天満市場で、能勢郡の栗の取扱いがあったことが分かります。 また、次の資料によると、『能勢町史』に収録されていた1803年頃の文書にも、天満市場における栗の売買に関する記述があったようです。 ・荒武賢一朗「近世大坂における青物流通の取引範囲」『大阪の歴史』52(大阪市史編纂所 1999.1)p.35-55 p.44-45 「天満青物市場と周辺地域」 「村々為申合定書之事」という1803年頃の文書が引用されており、「大坂北在村々」の栗の売り捌きについて、北摂地域村々と天満市場との間で意見の食い違いが生じたことを示す文書だと書かれています。 [事例作成日:2017年8月10日] 参考資料:封建社会の村と町 大阪歴史学会∥編 吉川弘文館 1960.10, 参考資料:大阪商業史資料 第25巻 大阪商工会議所∥編集 大阪商工会議所 1964, 参考資料:大阪の歴史 大阪市史編纂所 大阪市史料調査会  52-56, 参考資料:能勢町史 第3巻 能勢町史編纂委員会∥編集 能勢町 1975, 参考資料:摂津名所図会 上巻 秋里/籬島∥著 臨川書店 1974, 参考資料:大阪食文化大全 笹井/良隆∥編著 西日本出版社 2010.11, 参考資料:大阪天満卸売市場史 大阪天満卸売市場仲卸組合連合会 大阪天満卸売市場仲卸組合連合会 1982.4, 参考資料:天満青物市場史料 上 大阪市史編纂所∥編集 大阪市史料調査会 1989, 参考資料:天満青物市場史料 下 大阪市史編纂所∥編集 大阪市史料調査会 1990, 参考資料:大阪府農業史 大阪府農業会議∥編集 大阪府農業会議 1984.7,
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