2017年9月27日水曜日

佐藤忠良が描いた『おおきなかぶ』の挿絵について、教科書に掲載されている挿絵と、福音館書店の絵本の挿絵とでは、構図などが異なっている。それについて書かれた資料はありませんか。(大阪府立中央図書館)

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以下の資料に記述が見られた。 『彫刻家が描く 佐藤忠良の絵本原画』(宮城県美術館/編集 佐川美術館 2005) p.123~p.124「肝心の佐藤忠良の絵による「おおきなかぶ」は、確認できた中では、いずれも1977(昭和52)年刊の『新版こくご 1年上』(教育出版)の「大きなかぶ」と、『しょうがくしんこくご 1ねん上』(光村図書)の「おおきなかぶ」が最初である。これらは、確かに佐藤忠良の絵ではあるが、福音館版『おおきなかぶ』の絵にほぼ忠実に再制作されたものである。ここで気づくのは、絵本『おおきなかぶ』と教科書との大きな違いである。国語の教科書では、文章が縦書きであるために、右綴じ・縦型の装本となっており、当然のことながら、画面のかたち、絵と文章の配列が大きく変わってくる。掲載の初期は、絵は、絵本とは逆方向へページが進行するにも関わらず、絵本の絵と同様の方向でレイアウトされていたことから、絵本に見られるページをめくる方向への展開性を失っていた。掲載の回数が進むにつれて、教科書でも絵の方向性が意識されるようになり、絵本の絵とは左右逆転したかたちで掲載されている。しかし、判型による制約のために横方向への画面の展開性が減じているのは否めない。絵本の絵をほぼ忠実に再現しながらも、おはなしの説明として添えられる挿絵的な存在へと変質しているといえるだろう。」 [事例作成日:2017年8月18日] 参考資料:彫刻家が描く 佐藤忠良の絵本原画 宮城県美術館∥編集 佐川美術館 2005.0, (120-124)
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