2017年10月11日水曜日

マンボウの産卵数が3億個というのは本当なのか知りたい。(埼玉県高等学校図書館研究会)

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『図解雑学魚の不思議』(松浦啓一監修、ナツメ社、2006年) p.58「卵が3億個以上つまっています。魚が生む卵の数としてはダントツの多さです」と記述あり。直接3億個生むとは書かれていないが、産卵数も3億個あるように読める文章。 『ポプラディア新訂版 10』(ポプラ社、2011年) p.150マンボウの項に「雌が2~3億個も卵を産むことで有名。」と記述あり。 『図説魚と貝の事典』(望月賢二監修、柏書房、2005年) p.394マンボウの項に「一尾の産卵数は二億~三億粒といわれ、魚類中で最多」と記述あり。 『原色魚類大図鑑』(阿部宗明監修、北隆館、1987年) p.968マンボウの項に「抱卵数が多く、体長1.3mのもので約3億粒」と記述あり。3億粒産むとは書かれていない。 『Newton』(第35巻5号、ニュートンプレス、2015年) p135-139の記事に「卵巣に入っている卵の数と、実際に産卵される数は別であり、具体的な産卵数はいまだに不明です」との記述あり。 海のはくぶつかん:Vol.38 No.3(東海大学海洋学部博物館) http://ift.tt/2yclzpW 2008年の記事。「1度に約3億個もの卵を産みます。」との記述あり。 回答プロセス:1、「マンボウ」をキーワードにしてOPAC検索。魚のマンボウを題にする本が出てこなかったので、書架で魚類図鑑を調べる。マンボウに関する本のうち、産卵数について記述してある4冊を提供した。 2、NDL-OPACでキーワード「マンボウ」で検索、Newtonに記事があると分かる。 3、インターネットで「マンボウ 産卵数」をキーワードにして検索。東海大学海洋学部博物館という名称を見かけたので、記事を参照した。 4、産卵数は3億個(以上)であると明言している記述の方が多く見つかった。ただし2015年刊行の『Newton』での研究者の発言では「不明」とあり、両方の意見を提供した。 参考資料:国立国会図書館サーチ(NDL-OPAC) http://iss.ndl.go.jp/, 備考:2017.10.10追記 『マンボウのひみつ』(澤井悦郎著、岩波ジュニア新書、2017年) 下記の記述がある。 P.132 成熟や産卵に関する知見はほとんどありません。繁殖行動や成熟卵も一切不明です。 p.172 マンボウは「1回の産卵で3億個の卵を産み、生き残るのは2匹だけ」と言われます。しかし、これは情報がいくつか間違っています。    この知見のソースはウナギの研究で有名なヨハネス・シュミット(1877-1933)が1921年にイギリスの科学雑誌『ネイチャー』に発表した論文で、    ~略~つまり、この数は推定値であり、またマンボウが3億個の卵を「産む」とは一言も書かれていないのです。
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